2006年 12月 18日
金持ち父さんの起業する前に読む本 |
堕落論は読みかけであるが、後輩の強い勧めで、柄にもない本を買う。「金持ち父さんの起業する前に読む本」
別に起業する気持ちはないが現状に満足もしておらず、多少の自己啓発になろうかという気持ちで購入する。土曜の夕飯時に恵比寿にて。
セリーヌやサドの本を購入するのに何らの抵抗も働かないのに、この種の本を持ってレジに並ぶ行為が、慚愧に耐えないもののように感じるのはいかがなものか。そう思いながらも恥ずかしいのだから仕方ない。まるで中学生がエロ本を買うような心境だ。
落ち着かないなか、2000円ほどを支払って購入したからには読み切らねば金の無駄、しかし読みかけの状態にしておくのはかなり厭。自宅の本棚に並ばせること自体、気にくわないが、この週末で読み切ってしまおうと決意し、300ページ強に立ち向かう。
本は分厚いが、文章自体はひどく軽い。ビジネスやマネーの本ではあるが堅く書かないことに重きを置き、一般層への確実な普及を目的としている点が、それ自体が著者の使命だそうだが、なんだか好感をもてない。中身自体の内容が薄いわけではなく、考えさせられることもあったが、それでも啓発のレベルに至るかといえば疑問が残る。いや、多少なりとも「こういう考え方もあるか」と知り得たのだから、全くの無駄骨ではないか。
真の幸福を目指すには、自らが授かっている使命を見つけ、それを為すために必要なものを認識し、自分に足りないものを努力して修得するなり、チームを組んで補完するなどしていくプロセスが大事だ。そうして使命を為したところに金に囚われない真の幸福を見いだせる、と。
その必要なものを、それがなかったがための失敗談、それを糧とした成功談として伝える構成となっている。そこに従業員と起業家の違い、人やビジネスタイプの分類などを織り交ぜて。
わからない話ではないが、これがセリーヌを読んだ後なのだからたまらない。何処へ行ったって不幸しかないと吐き捨てる者あれば、そのあらゆる不幸や不便から何か一点でいいから救済すべき事柄を使命としてビジネスにせよ、と説く者がいる。
両者をタイミングよく読んだものの感想として以下で締める。
ある不幸を世界から取り除こうとすれば、世界の絶対量としての不幸が足らなくなって、新手の、余計手の込んだ不幸が、我らのまわりを浮遊し始める。
それによって、また複数のビジネスチャンスが生まれ、それは資本主義の崩壊する日が訪れるまでイタチごっことなる。
本来原始的であった不幸は、階層や資本の影響によって、多種多様となったばかりでなくそのそれぞれが鋭角にされすぎて、現代社会でより攻撃力を高めているのでなかろうか。
…なかなか寝付けなくて携帯を手に取って、読んだ本が本だけに建設的な終わり方になるかと思いきや!
なぜビジネス本を読んだ感想がこんな結論に至ったんだ…?
文字数もそれなり。パソコンで打てばよかった。
別に起業する気持ちはないが現状に満足もしておらず、多少の自己啓発になろうかという気持ちで購入する。土曜の夕飯時に恵比寿にて。
セリーヌやサドの本を購入するのに何らの抵抗も働かないのに、この種の本を持ってレジに並ぶ行為が、慚愧に耐えないもののように感じるのはいかがなものか。そう思いながらも恥ずかしいのだから仕方ない。まるで中学生がエロ本を買うような心境だ。
落ち着かないなか、2000円ほどを支払って購入したからには読み切らねば金の無駄、しかし読みかけの状態にしておくのはかなり厭。自宅の本棚に並ばせること自体、気にくわないが、この週末で読み切ってしまおうと決意し、300ページ強に立ち向かう。
本は分厚いが、文章自体はひどく軽い。ビジネスやマネーの本ではあるが堅く書かないことに重きを置き、一般層への確実な普及を目的としている点が、それ自体が著者の使命だそうだが、なんだか好感をもてない。中身自体の内容が薄いわけではなく、考えさせられることもあったが、それでも啓発のレベルに至るかといえば疑問が残る。いや、多少なりとも「こういう考え方もあるか」と知り得たのだから、全くの無駄骨ではないか。
真の幸福を目指すには、自らが授かっている使命を見つけ、それを為すために必要なものを認識し、自分に足りないものを努力して修得するなり、チームを組んで補完するなどしていくプロセスが大事だ。そうして使命を為したところに金に囚われない真の幸福を見いだせる、と。
その必要なものを、それがなかったがための失敗談、それを糧とした成功談として伝える構成となっている。そこに従業員と起業家の違い、人やビジネスタイプの分類などを織り交ぜて。
わからない話ではないが、これがセリーヌを読んだ後なのだからたまらない。何処へ行ったって不幸しかないと吐き捨てる者あれば、そのあらゆる不幸や不便から何か一点でいいから救済すべき事柄を使命としてビジネスにせよ、と説く者がいる。
両者をタイミングよく読んだものの感想として以下で締める。
ある不幸を世界から取り除こうとすれば、世界の絶対量としての不幸が足らなくなって、新手の、余計手の込んだ不幸が、我らのまわりを浮遊し始める。
それによって、また複数のビジネスチャンスが生まれ、それは資本主義の崩壊する日が訪れるまでイタチごっことなる。
本来原始的であった不幸は、階層や資本の影響によって、多種多様となったばかりでなくそのそれぞれが鋭角にされすぎて、現代社会でより攻撃力を高めているのでなかろうか。
…なかなか寝付けなくて携帯を手に取って、読んだ本が本だけに建設的な終わり方になるかと思いきや!
なぜビジネス本を読んだ感想がこんな結論に至ったんだ…?
文字数もそれなり。パソコンで打てばよかった。
by jasum_fjo
| 2006-12-18 02:51
| 本・映画