2006年 11月 05日
三連休初日早朝を振り返る |
5時起床、連絡の悪さを考慮に入れず、品川で10分強電車を待つという失態を犯しつつ、新聞を買おうにもキオスク・NewDaysは開店前、それでも何とか新宿発7時、始発のスーパーあずさに乗ったものの、紅葉シーズンの三連休を甘く見ており、昨晩の『車内で寝ればいいから寝不足でも問題なし』『朝飯を 家で食する 暇はなし 車内で景色を 眺めて食さん』などという考えは、実現適うはずもなく乗車率120%を超えるぐらいの中、立往生。
昨晩、購入しておいた朝食用のコーヒーのボトル缶は開封されることを許されず、菓子パンはバックの中で変形をしていることは想像に難くない。
睡眠不足に特急の立ち移動は、己に精神的にも肉体的にもあまりよろしくない影響を与えることは確実で、その中でどのように時間を潰そうとするかといえば、携帯電話を取り出し、無造作に思いついたことを宛先なしのメールとして打ち込むか、持ち歩いている本にありつくのは当然の結果。
取り出した本は、先週にようやく購入したセリーヌ『夜の果てへの旅』。生田耕作のテンポの良い訳文は、その内容の絶対的な暗さを独特の味あるものとして、絶妙なラインで保っており、絶望を楽しく語ることで、そうすることでしか人間は救いようがない、いや、そうしたところで救いようなどない、といった作者の心情をうまく表現しているものだと感心しながらも立往生は続く。
区切りのいいところまで読み、素晴らしいフレーズを見つけたので、友人に三連休の早朝(8時半ぐらい)ということを意識しつつも、上記のような状況説明と、後述する素晴らしき引用文をもって『Bad Morning!』というメールを送信するといった茶目っ気たっぷりな冗談を間に挟み、甲府を過ぎて未だ座れず、小淵沢でようやく座った頃には9時近く。下車予定の塩尻到着まで30分。寝る暇はなし。結果、そこまで悲惨ではないが、ある程度形の崩れた菓子パンを食しつつ読書を続ける羽目になり、ますます暗黒の世界は広がりゆく。
ところで何の目的で塩尻下車かといえば、従兄弟の結婚式に出席するため。
そいうった「おめでたい席へと参列する前に相応しからぬ本を読んでいく」という状況を「面白い!」と先々週末ぐらいに思いついたために、セリーヌの本を購入したわけではあるが、本当にその状況を作り出した自分に「Good Job!」という、激励ではなく、どちらかといえば哀れみ?をかけつつ、友人にも送ったセリーヌの文を引用。
-状況-
人間の醜悪さを極めた、正に地獄でしかない戦場より凱旋し、しばらくの時を経てから、ふと訪れた射撃場で、突如発狂する主人公、その心情を吐露する場面
-引用-
それから僕は病気で倒れ、発病し、発狂したのだ、病院の説明では、恐怖が原因で。考えられないことじゃない。そうじゃないか、こんな世界にいるかぎり、いちばんいいのは、そこから抜け出すことじゃないか?狂気であろうと、恐怖だろうと、かまっておられるか。
10時手前、式場に到着したとほぼ同時に、友人からの返信メール。
「朝っぱらから不愉快にさせてくれてどーも」という皮肉たっぷりの謝辞と、「人間的感情の芽生えを期する」という哀れみと、「場を汚すなよ」という警告を頂きました。
注目すべきは、哀れみの「人間的感情の【芽生え】を期する」というところ。
もはや、回復というところを通り越し、元々なかったものを手に入れてこい、という視点からのアドバイスに少なからず笑いを覚えてしまいました。
メール送った甲斐があったというものだ。
昨晩、購入しておいた朝食用のコーヒーのボトル缶は開封されることを許されず、菓子パンはバックの中で変形をしていることは想像に難くない。
睡眠不足に特急の立ち移動は、己に精神的にも肉体的にもあまりよろしくない影響を与えることは確実で、その中でどのように時間を潰そうとするかといえば、携帯電話を取り出し、無造作に思いついたことを宛先なしのメールとして打ち込むか、持ち歩いている本にありつくのは当然の結果。
取り出した本は、先週にようやく購入したセリーヌ『夜の果てへの旅』。生田耕作のテンポの良い訳文は、その内容の絶対的な暗さを独特の味あるものとして、絶妙なラインで保っており、絶望を楽しく語ることで、そうすることでしか人間は救いようがない、いや、そうしたところで救いようなどない、といった作者の心情をうまく表現しているものだと感心しながらも立往生は続く。
区切りのいいところまで読み、素晴らしいフレーズを見つけたので、友人に三連休の早朝(8時半ぐらい)ということを意識しつつも、上記のような状況説明と、後述する素晴らしき引用文をもって『Bad Morning!』というメールを送信するといった茶目っ気たっぷりな冗談を間に挟み、甲府を過ぎて未だ座れず、小淵沢でようやく座った頃には9時近く。下車予定の塩尻到着まで30分。寝る暇はなし。結果、そこまで悲惨ではないが、ある程度形の崩れた菓子パンを食しつつ読書を続ける羽目になり、ますます暗黒の世界は広がりゆく。
ところで何の目的で塩尻下車かといえば、従兄弟の結婚式に出席するため。
そいうった「おめでたい席へと参列する前に相応しからぬ本を読んでいく」という状況を「面白い!」と先々週末ぐらいに思いついたために、セリーヌの本を購入したわけではあるが、本当にその状況を作り出した自分に「Good Job!」という、激励ではなく、どちらかといえば哀れみ?をかけつつ、友人にも送ったセリーヌの文を引用。
-状況-
人間の醜悪さを極めた、正に地獄でしかない戦場より凱旋し、しばらくの時を経てから、ふと訪れた射撃場で、突如発狂する主人公、その心情を吐露する場面
-引用-
それから僕は病気で倒れ、発病し、発狂したのだ、病院の説明では、恐怖が原因で。考えられないことじゃない。そうじゃないか、こんな世界にいるかぎり、いちばんいいのは、そこから抜け出すことじゃないか?狂気であろうと、恐怖だろうと、かまっておられるか。
10時手前、式場に到着したとほぼ同時に、友人からの返信メール。
「朝っぱらから不愉快にさせてくれてどーも」という皮肉たっぷりの謝辞と、「人間的感情の芽生えを期する」という哀れみと、「場を汚すなよ」という警告を頂きました。
注目すべきは、哀れみの「人間的感情の【芽生え】を期する」というところ。
もはや、回復というところを通り越し、元々なかったものを手に入れてこい、という視点からのアドバイスに少なからず笑いを覚えてしまいました。
メール送った甲斐があったというものだ。
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by jasum_fjo
| 2006-11-05 11:37
| 平時